引きこもりにも明日はある。


先日、中学校でいじめにあい、それから辛くなって学校を休み、部屋に引きこもっている子(A君)に会いました。


うかがった初日は部屋から出てきてはもらえず、結局会うことはできなかったが、また来る約束をしてその日は帰りました。


数日後にうかがったときは、気分も良さそうで自ら趣味のことや、将来のことも話してくれました。驚いたことに、趣味のパソコンいじりはプロレベル。


本人の話す内容から推察するに、他人と同じようにすることができないことや、何故先生やクラスメートが怒り出すのが分からなく、本人が苦しんでいることなどがうかがえました。


学校という群れ社会においては、集団行動や同じ価値を共にすることが要求されますが、それができない子もいる(これはおとなの社会でも同じ)。ただ単に、自分勝手とか躾の問題というフレームで見てしまいがちですが、そこに人間社会の不条理も見えてくるようです。


人は自己の欲求を満たすことが大前提となるので、そこに少しでも自分にとって不快な存在は赦せない、という心理がはたらきます。つまり、「自分の思いどうりにならない」とひとは、怒りを表すのです。あなたも、心当たりはありませんか?


それが、いじめとなって相手に襲いかかるというわけです。


ひとそれぞれ生まれ育った環境が違うし、持っている価値観も違うわけで、ましてや、身体的な能力も同じではないのです。何度も言いますが、それが「個性」というものではないのでしょうか。


それぞれが違う個性を補い合う考え方ができない(教育できない)と、「いじめ」はなくならないし、「思いやるこころ」を育てることはできません。


この子の場合は、アスペルガー症候群の疑いを感じましたので、専門医への受診を勧めました。



アスペルガー症候群自己診断テスト→http://www.the-fortuneteller.com/asperger/aq-j.html