宗教を棄てよ!

余輩は人に宗教を変えよと言わず、宗教を棄てよと勧む。
儀式と規則と信仰箇条とをもって普通道徳に代えんとする、かの憎むべき宗教という制度を棄てよと勧む。
仏教を去りてキリスト教に入るは、一つの悪事を去って他の悪事に入るに過ぎず、米国の思想家エリシャ・ムルフォードかって言えるあり。
「キリストの宗教のみ、ひとり宗教にあらず」と。
まことに、イエスの貴きは、彼が宗教を建てしが故にあらず、宗教を壊ちしがゆえなり。故に、よくイエスの心を知る者は、よくすべての宗教に反対す。
人はまづすべての宗教(キリスト教をも含む)を棄つるにあらざれば、イエスの善き弟子たる能はざるなり。
内村鑑三「所感十年」角川文庫より



これは内村鑑三氏の言葉である。
彼は、無宗教無教会主義を主張し貫いた。
もちろん賛否はあるだろう。でも、今のキリスト教の弊害や唯一の神であるイエス・キリストを宗教の一つとして偏狭の枠に押し込めた責任は重い。
さらに、キリストの名の下に近づく人びとに対し、商売をしている。
もう一度聖書を読んで欲しい。

「それから、イエスは宮にいって、宮の中で売り買いするものたちをみな追い出し、両替人の台や、鳩を売る者たちの腰掛を倒された。」「そして彼らに言われた。『私の家は祈りの家と呼ばれる。』と書いてある。それなのに、あなたがたは、それを強盗の巣にしている」 (新約聖書マタイの福音書21章12〜13節)

今ここで、地に落としてしまったイエス・キリストの御名があがめられるように真剣に祈ろう。キリストが示されたように。

「「天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。御国がきますように。みこころが天で行われますように地でも行われますように。私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。私たちの負いめをお赦しください。わたしたちも、わたしたちに負いめのある人たちを赦しました。私たちを試みに合わせないで、悪からお救いください。国と力と榮とは、とこしえにあなたのものだからです。アーメン」 (マタイの福音書6章9から13節)

そして、ヒューマニズムと化したキリスト教から離れ、真の救い主との交わりが持てますように。