頑固じいさん VS 眼科医軍団

じいさんがの目が悪くなりだしてから、3軒の眼科につきあいました。


今回がその3軒目だったのです。(やれやれ・・・)

近くの大学病院で白内障の手術をし、眼鏡も合ったものに作り変えてもらったのが3年位前だということでした。「最近また見づらくなってきた」というので、駅前のM眼科に連れて行ったのが2ヶ月前です。


視力検査に眼圧の検査や、目の奥も診てもらいましたが、治療を施すというよりも目薬でこれ以上悪くならないようにする、といった状態でした。結局この眼科には3度行き、良くならないし先生も気に入らないから、という理由でもう行かないことに。


ここの先生は根は優しいのですが、高圧的に言うので、それが気に入らないということです。帰りの車の中で「診たてちがいだと思うんだ。分からないんじゃないのか・・・。」と少し興奮して訴えていました。もらった点眼薬も強いらしくさすのをやめていました。


1週間ほどするとホットラインが鳴り、「どうも目がみづらいんだ・・・・。」とじいさん。


「目薬差さないからじゃないの。」というと、「あれは、だめなんだ。強すぎて合わないんだ。」


「それじゃ、また、行くの?」と言うと・・・。


「いや・・・、I眼科に、以前、行ったことがあるんだ・・・。」と、違う眼科の話をしだしました。あくまでも、M眼科がやぶだということか・・・。


じいさんは、今度は違う眼科に連れて行け、ということらしいのです。私はどこも変わりはないと思いましたが、じいさんに付き合うことに。


2軒目は私の街にあるお年寄りご用達のI眼科にいざ出陣!?


一通りの検査を終わって、診察終了後に私も呼ばれて入ると、先生が「なんだかこの人、右が見えないとか言っているけど、そんなことはないので。」と、わけの分からないこのじいさんを早く連れて行ってというような態度でした。私もさすがに「ムッ」として、今までのいきさつを説明しましたが、「まあ、点眼薬を出しときますので」であっけなく終了でした。


じいさんはじっくり話すと、とても頭が良く理解する能力もあるのですが、ただ“時間がかかる”のです。さらに人との係わりが苦手で、ふだんあまりしゃべる機会もなく、うまく気持ちを伝えることができません。医者も様々な人を診なければならないので大変ですが、相手を理解するための“傾聴”を学ばなければならない、と強く感じました。


そんなわけで、このI眼科もこれでおしまいとなりました。確かに患者は大勢いて繁盛(?)していますが、お年寄りの“精神構造”や“身体機能の衰え”、“生活環境”などを、もう少し勉強する必要があるようです。それと医者だけではありませんが、お年寄りに接する時に必要なのは、“忍耐力”です。


じいさんも、自分の思いを伝えることができないもどかしさを感じているようで、苛立ちをみせていました。「なんで、俺の気持ちをわかってくれないんだ!」と、心の中で叫んでいるようでした。しばらく我慢していたのかじいさんは、「朝起きたてはまだいいんだけど・・・、顔を洗ったり、用事をしていると、なんだかボヤーっとしちゃうんだ。何でもないわけないんだ。」というので、「そういうことを医者に伝えないと、医者もわからないよ。」というと・・・、


「医者は専門の勉強をしているんだから、黙っていたって、分かるはずなんだ。」と、まだ、医者の力量不足と言いたげでした。


自宅に送って別れ際に、「○○さんは、大学病院に3ヶ月通って、ちっとも良くならなかったのが、野上の目医者に行ったら、1回で治ったんだ。昔から、野上(埼玉県秩父市)は目医者でもつって言うんだ。」と、もう心は違う目医者に向かっているのでした。


「あー、そうなのー」と、作り笑いでごまかして急いでじいさん宅から退散したのですが・・・。