じいさんの被災者支援!?
いつもの帰り道、じいさん宅に様子を見に寄りました。
玄関が閉まっていたため、裏の炊事小屋に行きましたがそこにもじいさんの姿は見当りません。
もう一度母屋に回り、ベランダのガラス越しに「○○さーん」と呼べども返事はありません。
まさか・・・。
最近はバイクにも乗れなくなったので、出かけることはほとんどありません。買い物は週2回来てくださるヘルパーさんがしてくれています。
「お隣にでもいるのかなー」と考えていた時・・・、
玄関が「カチャッ」と開き、じいさんの眠そうな顔がヌゥーッと・・・。
「あっ、いたんだー。」
「うん・・・。寝てたんだー。」
「何もやることもねーし・・・。」
「ところで○○さんねー。ちょっと納屋に荷物を置かせてほしいんだけど、いいかなー。」
教会のA姉妹の義父母は宮城県に住んでいて、今回の津波で被害にあいました。そんな義父母のために生活必需品や家財道具などを送ることになりました。
感謝なことに、知人のブラジルの方が帰国され、ほとんど家具や日用品を置いていかれたのでいただくことになりました。その場所から、そのまま荷物を宮城まで送ることができれば問題ないのですが、送り先の家は大はばな修繕が必要であり今は荷物を送るわけにはゆきません。
しかし、この荷持つがある場所は早急に明け渡さなければなりませんので、家具を一時別な場所に移す必要があるのです。
そこで荷持つの一時保管場所として、○○さん宅の納屋に白羽の矢が当たったのです。
一通りいきさつを説明するとじいさんは・・・、
任せておけ、と言わんばかりに、
「こりゃー、寝ていられねーな」と、
さっきまで眠そうな顔がきりりと締まり、受け入れ態勢を整え始めました。
あんな生き生きとしたじいさんを見るのは初めてでした。じいさんは、戦後の復興を経験しているので災害に遭われた方々の痛みをともにしていました。でも、何もできないジレンマとも戦っていたのです。
「自分にもできることがある」、「自分の存在を必要としている人がいる」ということが、またじいさんの生きる勇気につながっていきました。
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣くものといっしょに泣きなさい。」(聖書)